【小説の感想】映画「いのちの停車場」をおすすめする理由【後半にネタバレあり】

みなさん、こんにちは。
書畜です。

今日は、小説家・南杏子さんの「いのちの停車場」を読んだので、そのあらすじや映画情報、感想についてまとめていきたいと思います。

テレビCMで吉永小百合さん、広瀬すずさん、松坂桃李さんが出ている事がわかり、どんな作品なのか興味を持った人も多いのではないでしょうか。

僕もその一人で、さっそくAmazonで本を購入し、一気読みをしてしまいました。

これから作品を見ようか/読もうか迷っているという人は、あらすじやおすすめする理由を、すでに作品を楽しみ終わった人は感想(ネタバレあり)を読んでみてください。

あらすじ

長年、救命救急医として活躍しており、定年退職間近の咲和子があることをきっかけに東京の病院を退職し、故郷の金沢に戻ることになります。そこで、古くからの友人の依頼を受け、「まほろば診療所」にて在宅医療を開始します。

在宅医療は1日5名程度を診ればよいと知らされ、救急医療医として極めて忙しい環境下で働いてきた咲和子はなんて簡単な仕事だ、と高を括ります。ところが、患者一人一人と深く向き合う在宅医療はこれまでに咲和子が行ってきた医療とは全く異なり戸惑うこととなります。

患者との触れ合いを通して次第に在宅医療医として慣れていくも、次から次へと新しい患者が現れ新たな困難と向き合う事になります。一方、家庭でも父の脳卒中をきっかけに難しい決断を迫られます。

原作者(著者)

南杏子さんの同名の作品が原作で2020年に発表されています。南杏子さんは出版社勤務を経て医学部へ学士編集をした変わった経歴の作家さんです。その経験を活かして、2016年に終末医療を描いた「サイレント・ブレス」でデビューを果たしています。

以降も、医療現場に関わる作品を発表し続けており、本作も、南杏子さんご自身が研修医時代に在宅医療に触れた経験を基に描かれているとの事です。

登場人物

・白石咲和子:主人公の医者。救命救急医から「まほろば診療所」の在宅医になる
・白石達郎:咲和子の父。脳神経内科医
・野呂聖二:咲和子が働いていた病院でバイトをしていた医大生。あることをきっかけに咲和子を追いかけて、「まほろば診療所」のバイトとして働くことになる
・星野朝世:「まほろば診療所」の看護師
・仙川徹:咲和子の古くからの友人で、「まほろば診療所」の医師
・柳瀬尚哉:「まほろば診療所」のいきつけのバーのマスター

誰が監督?映画いつ公開されるのか

話題となった小説「八月の蝉」を映画化した成島出さんが監督を務めます。「八月の蝉」は2012年に公開され、第35回日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞していますね。

その後も2015年に「ふしぎな岬の物語」で日本アカデミー賞優秀監督賞を受賞、2017年に「ちょっと今から仕事やめてくる」を公開と、非常に活躍されています。 本作の公開時期は、2021年5月21日です。コロナ禍で非常に大変な時期でしたが、コロナ対策を行うことで、なんとか公開にこぎ着けたようです。

映画キャストは誰か

・白石咲和子:吉永小百合さん
・白石達郎: 田中泯さん
・野呂聖二:松坂桃李さん
・星野朝世: 広瀬すずさん
・仙川徹: 西田敏行さん
・柳瀬尚哉: みなみらんぼうさん

おすすめする理由(ネタバレなし)

本作では、在宅医療の”暖かさ”が描かれています。病院ではなく在宅医療を選択する多くの患者さんは、積極的な治療が見込めず、緩和ケアが中心となるため、厳しい抗がん剤治療やリハビリに耐えるというよりは、痛みを緩和し本人がやりたい事をやる事が重要になってきます。

そのため、医師としてどのように患者の気持ちに寄り添えるかをテーマに、様々な患者さんと向き合いつつ葛藤する咲和子を見ることが出来ました。患者との向き合いを通し、62歳にしてなお奮闘する咲和子、そして大きく成長する野呂の姿には非常にほっこりします。

また、死と向き合う難しさについて考えさせられました。作中でも描かれていますが、本人は死と向き合えていても、実は家族が現実から目を背け、結果として本人にとって望ましくない治療が施され、本人・家族ともに不幸になってしまう事があるんだと認識させられました。

とはいえ、頭で死を理解したとしても、いざ自分がその瞬間に対峙した時に体や心で本当に自分が理解できるのだろうかと考えざるを得ませんでした。

このような色んな気づきを与えてくれる作品ですので、みなさんも是非小説や映画で楽しんでみてください。

感想(ネタバレあり)

さて、最後の章で急に主題が変わりましたよね。ちょっとびっくりしてしまいました。

途中までは在宅医療の在り方を問うていたと思っていて、非常に暖かくほっこりした話だなと思っていたら、急に安楽死の是非という冷たいテーマを豪速球でぶつけられ、えーーーっと思いました。

父による娘への安楽死の依頼の時点で刺激が強いですが、咲和子はそれを決断し、さらにその後に110番を押しちゃうって、急展開過ぎて頭がちょっと追いつかなかったです。

でも冷静になって改めてストーリーを振り返ると、途中で厚生労働省の宮嶋さんがマクロ視点での日本の医療の現状を語っていたところから実は南杏子さんの医療の世界における問題意識が提起されていたのでしょう。その問題意識から、南杏子さんとしては在宅医療の推奨、ひいては安楽死の合法化が答えだと考えているんでしょうね。

ただ、安楽死の合法化については、南杏子さん自身も正解に迷いがあり、結果として作中でも110番の結果が描かれていなかったのかもしれません。

いやはや非常に重たい本でした。映画も楽しみにしています。

それでは!

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