どうもこんにちは書畜です。
第19回このミステリーがすごい!大賞の「元彼の遺言状」を読みました。選考委員会が満場一致で大賞に選んだということで、非常に期待しながら読み進めました。
あらすじ
簡単なあらすじですが、主人公の剣持麗子は敏腕弁護士で、大学の時に付き合っていた大企業の御曹司である元彼が奇妙な遺言状を残したことからストーリーが始まります。
その遺言状とは「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」というもの。
なぜ元彼はこのような変な遺言状を残したのか、またなぜ元彼は死んでしまったのかという謎を解くべく麗子が弁護士として活躍するという物語です。
著者の方が新川帆立先生と言って、東大を出て弁護士になり、弁護士として働きながらこの本を執筆されたようで、新川帆立先生ならではの本だったと思います。
登場人物
この本の特徴ですが、遺産相続ものという事もあり、非常に登場人物が多い!
最近のドラマの妻夫木さん主演の「危険なヴィーナス」も同じく遺産もので登場人物がかなり多かったですが、この本は更に多いです。
ということで、簡単に登場人物をまとめてみましたので、読書中の方は参考にして頂ければと思います。
剣持家
- 剣持麗子:主人公。渉外系大手法律事務所の弁護士
- 剣持雅俊:兄。麗子と不仲
- 剣持雅昭:父。麗子と不仲2
- 剣持菜々子:母。影薄い
- 優佳:兄の婚約者
弁護士事務所
- 古川:同じ弁護士事務所の1年後輩
- 山本先生:40代前半の同じ弁護士事務所の上司
- 津々井先生:弁護士事務所の創業者
森川家の関係者
- 森川栄治:タイトルの「元彼」。大学の時の先輩。森川製薬の御曹司
- 森川富治:栄治の兄。研究者
- 森川金治:英治の父。森川製薬の代表取締役社長
- 森川恵子:英治の母
- 森川定之:金治の姉の婿。栄治の叔父
- 森川銀治:ユーチューバー。栄治の叔父2
- 森川紗英:栄治のいとこ。定之の娘
- 森川拓未:栄治のいとこで紗英の兄。森川製薬の経営企画室長で、栄治の社内でのライバル
- 森川雪乃:栄治の元カノ。拓未の妻
- 森川真梨子:金治の姉
- 平川真人:森川製薬の取締役副社長
- 村山権太:栄治の顧問弁護士
- 浜田先生:栄治の主治医
- 原口朝陽:栄治のお世話係の看護師
遺産相続関係者
- 中園:薬局勤務
- 猿渡:ミルク石鹸開発
- 堂上先生:愛犬バッカスの主治医
- 堂上真佐美:堂上先生の妻
- 亮:堂上先生の息子
- 佐々木:バッカスのしつけをした
- 井上:ブリーダー
- 等の多数
友人・恋人
- 信夫:彼氏。物語が始まるやいなや振られる
- 篠田:ゼミの先輩で栄治の友人でもある
読んでみた感想
いやあ、面白い小説でした。大小あわせていくつもの謎があって、読んでいくうちに新しい謎が現れ、どんどんハマっていく小説でした。作者の新川帆立さんが弁護士の方という事もあって、法律の話、M&Aの話がいい感じに織り込まれていて、社畜の僕は非常に楽しめました。
この本はミステリーなので、途中に伏線がいくつも張られていたのですが、結構見落としてしまっていて、非常に悔しい思いをしました。皆さんは読んでる時には気付きましたか?思い出すだけでも下のような伏線があって、中でも元カノリストは説明があった時にはやられた!としました。
- 元カノリスト
- 利き手
- 浮気
- 母子家庭
- 暗証番号
- 官僚と会社
- 医者(浜田先生)の動き
- 遺言そのもの
正直、利き手の話と浮気については、あからさまな書き方だったので、なんか怪しいなとは思っていたのですが、読み進めるうちにすっかり忘れてしまっていて、種明かしをされたときに、そうだった。。。と思った次第です。
拓未との関係や遺言の真のメッセージについては、読者をミスリードする情報が大量に含まれていたので、これはどんなに気を付けていても気付かなかったでしょうね。
とはいえ、非常に面白い本だったので、新川帆立さんの次の本も楽しみにしたいと思います。
それでは!
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